うま味や香りが魅力の「しいたけ」。
そんな「しいたけ」を乾燥させた「干ししいたけ」は、肉が薄く、かさが開いた「香信(こうしん)」と、肉厚で、かさの巻き込みが強い「冬菇(どんこ)」の2種類があります。
どちらも同じ菌から育つ「しいたけ」ですが、香信(こうしん)は、かさが開いている分、戻りが早く、味の含みもよい面があり、冬菇(どんこ)は、味・香り・食感が優れた高級品とされています。
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しいたけの旬
「しいたけ」の旬は3~5月、9~11月ごろ。春に収穫された「しいたけ」を「春子(はるこ)」、秋のものを「秋子(あきこ)」と呼び、春子はうま味が強く、秋子は香り高い特徴があります。
しいたけ の栄養
「しいたけ」は、低カロリーで不溶性食物繊維、ビタミンD、カリウム、エルゴステロールなどが豊富に含まれています。
また、うま味成分の「グアニル酸」を含み、かつお節に含まれる「イノシン酸」や、昆布に含まれる「グルタミン酸」と合わせると旨みが増します。
さらに、干すことでエルゴステロールがカルシウムの吸収を助けるビタミンDに変化。うま味成分も凝縮するため、「しいたけ」を食べる前に半日ほど天日干しするのがおすすめです。
おいしい「しいたけ」の選び方
「生しいたけ」は、かさが肉厚で、裏が白く、軸が太いものを選びましょう。「干ししいたけ」は、かさが茶褐色で、身が締まっているものが良品です。縁が切れたり、裏側が黒ずんだりしているものは避けます。
しいたけ の調理のポイント
「しいたけ」をおいしく食べるコツを知って、調理に活かしてみましょう。
生しいたけ
- 下ごしらえ
「しいたけ」は洗うと風味が落ちてしまいます。気になる汚れがあればキッチンペーパーで汚れを拭き取る程度にするとよいでしょう。 - 軸の部分
軸の部分は捨ててしまいがちですが、石づきを取ったら食べられます。スライスやみじん切りにしたりして料理に使うとよいでしょう。
干ししいたけ
- 下ごしらえ
軽く流水で洗い、「干ししいたけ」についている汚れを落とします。そして①か②、③の手順で「干ししいたけ」を戻していきます。
- 戻し方(ゆっくり)
保存容器に「干ししいたけ」と「干ししいたけ」がかぶるくらいの冷水を入れて、冷蔵庫で半日から1日かけて戻していく方法です。
常温の水や熱湯ではなく、冷水でゆっくり時間をかけて戻すことでうま味成分である「グアニル酸」が抽出されやすいと言われています。 - 戻し方(早く)
「干ししいたけ」を早く戻したい場合は、ぬるま湯に浸すとよいでしょう。20~30分くらいで戻ります。
また、その際、砂糖を少々入れることで、「干ししいたけ」のうま味成分が水の中に溶け出しにくくなると言われています。 - 戻し方(大急ぎ)
大急ぎで戻したい場合は、耐熱容器に「干ししいたけ」と、ひたひたの水を入れ、ラップを落とし蓋のようにかけて電子レンジで戻します(目安600Wで3分10秒ほど)。
しいたけ の保存方法
次に、「しいたけ」の保存方法をご紹介します。
生しいたけの保存方法
<冷蔵保存>
「生しいたけ」は1つずつクッキングペーパーで包んで、かさを下にして保存袋へ。野菜室で保存し、なるべく早く使い切ります。
<冷凍保存>
- そのまま
「生しいたけ」の石づきを取ったら、かさと軸を分けて冷凍用の保存袋に入れて冷凍室へ。 - カットしたもの
「生しいたけ」の石づきを取ったら、かさと軸を分けます。かさは薄切り、軸はそのまま、冷凍用の保存袋に入れて冷凍室で保存します。
【冷凍目安】
保存の目安は、1か月程度です。
【解凍】
凍ったままカットができ、煮物や炒め物に活用できます。
※カットしにくい場合、ポリ袋に入れて水に1分ほど、浸すとよいでしょう。直接、水に浸すとうま味が流出してしまいます。
干ししいたけの保存方法
- 未開封
未開封の「干ししいたけ」は、常温で長期保存が可能です。冷暗所(直射日光の当たらない涼しい場所)で保存しましょう。保存の目安は1年程度です。 - 開封済み
開封後は、空気が入らないように口をしっかり閉じ、冷暗所で保存してください。その際、乾燥材を入れてから、保存するとよいでしょう。「干ししいたけ」が湿るのを防ぎます。開封後の保存目安は1か月から1年程度とさまざまです。状態をみてから使ってください。
※密閉容器や冷蔵庫で保存するのもおすすめです。
「しいたけ」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安
しいたけは、離乳食中期(生後7、8カ月ごろ)から与えられますが、嚙み切りにくいため、急いで取り入れる必要はありません。与える場合は、軸をとって薄くスライスし、細かく刻み、加熱してからあげましょう。
離乳食後期(生後9~11カ月ごろ)は、細かく刻んで加熱したものを与えられます。また、干ししいたけは、生しいたけよりも、弾力があるためおすすめしません。だしは離乳初期から与えられます。
保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合
赤ちゃんは細菌に対して抵抗力が弱いため、冷蔵保存したものは当日、冷凍保存の場合で1週間を目安になるべく早めに使い切りましょう。
幼児の場合でも、冷蔵保存で数日、冷凍保存で2週間以内が目安です。また、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯がおすすめです。お子さんの様子をみながら離乳食を進めてください。
まとめ
きのこの代表的な存在でもある「しいたけ(椎茸)」は、うま味成分を含み、料理に奥深い味わいをもたらしてくれます。また、乾燥させることで、保存性や栄養も高まります。
ぜひ、お好みや用途によって「生しいたけ」と、「干ししいたけ」を使い分けてみてください。料理の幅が広がることでしょう。