秋の代表的な味覚である「さんま」は、北太平洋に生息する回遊魚です。冬から春にかけて成長しながら北へ向かい、夏から秋にかけて日本の沿岸を南下します。
この南下する時期がさんまの旬であり、特に脂ののったさんまが水揚げされ、市場に出回ります。
さんまを保育園や幼稚園の給食で提供する代表的な調理法には、塩焼き、蒲焼き、甘露煮などがあります。
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さんま の旬
さんまの旬は日本沿岸を南下する秋であり、7月から8月にかけて脂肪量が約10%程度ですが、秋に入ると20%以上に増加します。
さんま の栄養
さんまには、たんぱく質をはじめ、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。
おいしい「さんま」の選び方
目が黒く澄んでいて皮の色ツヤがよいもの、体がピンとしているもの、またくちばしの先が黄色いものが新鮮です。
さんま の調理のポイント
ここで保育園・幼稚園の子どもたちが「さんま」を美味しく食べられるように調理のコツについてお伝えします。給食やご家庭で活かしてみましょう。
- 生臭みを軽減させる方法
さんまに塩を振り、しばらくおいた後、余分な水分を拭き取ることで、生臭みを軽減できます。さんまを含めヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、ブリ、アジなどの赤身魚とその加工品は、常温で放置するとヒスタミン中毒を起こす可能性があります。塩をした後は冷蔵庫で置いておきましょう。 - 下処理のコツ
さんまは、頭に骨と内臓がついているため、頭とお腹に切り込みを入れることで、頭と内臓を同時に取り除くことができます。
1. サンマの頭の付け根に包丁を入れ、腹側を半分ほど残して、骨まで切り込みを入れます。
2. 肛門の、少し手前に約1cmほどの切り込みを入れます。
3. 片手で頭部を押さえ、もう片方の手で尾を持って、横に引っ張ります。 - 美味しく焼くコツ
脂が豊富なさんまは、グリルで焼くと余分な脂が滴り落ち、さっぱりとした味わいになります。
さんま の保存方法
次に、さんまの保存方法をご紹介します。さんまは鮮度が落ちやすいため、購入後、食べ切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。
冷蔵保存(丸ごと)
さんまを冷水で洗って雑菌を取り除き、キッチンペーパーで水分を取り除きます。そして、ラップで包んで冷蔵庫で保存し、早めに使い切ります。
冷凍保存
さんまを三枚おろしやぶつ切りにした後、1つずつラップで包み、まとめて冷凍用の保存袋に入れて保存します。保存の目安は1カ月程度です。
解凍について
さんまを解凍する方法は、流水解凍と冷蔵庫解凍の2つの方法があります。流水解凍では、袋に入ったさんまを流水で表面が柔らかくなるまで洗い流します。冷蔵庫解凍の場合は、冷凍庫から冷蔵庫に移して、ゆっくり解凍します。解凍後は、キッチンペーパーで水分を取り除き、煮物や汁物などの調理に使用できます。
「さんま」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安
さんまは、脂が多いため、与える場合は離乳食後期(9~11カ月ごろ)からにしましょう。
その際、小骨や内臓を取り除いてから調理し、食べさせましょう。
加熱したさんまは、パサパサしているため、おかゆに混ぜたり、あんかけにして与えることで、食べやすくなります。
保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合
赤ちゃんは細菌に対して抵抗力が弱いため、冷蔵保存したものは当日、冷凍保存の場合で1週間を目安になるべく早めに使い切りましょう。幼児の場合でも、冷蔵保存で数日、冷凍保存で2週間以内が目安です。また、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯がおすすめです。お子さんの様子をみながら離乳食を進めてください。
まとめ
さんまは、たんぱく質、DHA、EPAが豊富で、子どもたちの成長に必要な栄養素を含んでいます。
また、さんまの特徴として、はらわたまで美味しく食べられることが挙げられます。これは、さんまが無胃魚(むいぎょ)と呼ばれ、胃がないため食道と腸が直結しているためです。
この特性により、食べたものが30分程度で排泄され、新鮮なさんまは内臓も含めて美味しく楽しむことができます。 しかし、子どもたちは、はらわたが苦手な子が多いため、下処理してから与えるのが安心です。