卵は古くから「精のつく食べ物」として重宝されてきましたが、かつては貴重で一般にはなかなか手に入りませんでした。江戸時代、南蛮貿易※をきっかけに徐々に広まりましたが、まだ高価な食材でした。昭和30年以降、食生活の欧米化などにより、家庭でも身近な食材となりました。
卵 には成長に必要なたんぱく質が豊富に含まれています。幼稚園・保育園給食では、卵アレルギーへの対応のために使用する機会が減ったところも多いですが、卵アレルギーが無い場合は、子どもたちの健康を支える食材として是非ご家庭で楽しみたいですね。
※南蛮貿易とは、16~17世紀に日本がポルトガルやスペインと行った貿易で、カステラや砂糖などの食材や文化が伝わりました。

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たまご の旬
現在は養鶏技術の発達により一年中手に入りますが、ニワトリの本来の産卵期は春から初夏にかけて。
この時期に産まれる卵は、ゆっくり成熟するため栄養価や味が良いとされています。ただし、現在の卵は人工的に採卵されており、一般的に販売されているものは季節による味や栄養価の変化はほとんどありません。
たまご の栄養
卵はたんぱく質を豊富に含み、中でも人の体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。また、ビタミンC以外のほぼすべての栄養素を含むことから「完全栄養食品」とも呼ばれています。
おいしい「たまご」の選び方
卵を割らずに新鮮なものを選ぶのは困難です。卵を選ぶ際は汚れやひび割れがないものを選びましょう。
新鮮な卵は空気室が小さいので、塩水につけると沈みます。
たまご の調理のポイント
ここで保育園・幼稚園の子どもたちが「卵」を美味しく食べられるように調理のコツについてお伝えします。給食やご家庭で活かしてみましょう。
- 割ったらすぐに使う
卵の殻には、まれにサルモネラ菌が付着していることがあります。市販の卵は洗浄・殺菌されているためリスクは低いですが、内部に菌が含まれている可能性もゼロではありません。食中毒を防ぐため、卵は割ったらすぐに調理・食べるようにし、割り置きは避けましょう。 - 卵の賞味期限について
卵の賞味期限は生で食べられる期限を指します。期限を過ぎた場合は、割ったときに異常がないか確認し、70度以上で加熱すれば食べられますが、できるだけ早めに使い切りましょう。








たまご の保存方法
次に、卵の保存方法をご紹介します。
冷蔵保存
卵は温度変化に弱いため、冷蔵庫の一定した温度で保存しましょう。置き方は、殻が硬い尖った方を下にすると割れにくく、鮮度を保ちやすくなります。








「たまご(卵)」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安
離乳食を始める時期には、卵の進め方に迷う保護者の方も多いかもしれません。卵はアレルギーの心配があるため、最初は卵黄のみを少量ずつ与えるとよいでしょう。
離乳食は生後5、6カ月頃からスタートしますが、卵黄はほかの食材に慣れてから、生後6カ月頃を目安に取り入れます。
「卵黄(らんおう)」の与え方
- 固ゆで卵(沸騰後15分加熱)を作る。
- 白身と黄身を分け、黄身のみを裏ごししてなめらかにする。
- ごく少量から与え、様子をみながら進める。
「卵白(らんぱく)」の取り扱いについて
赤ちゃんに多い卵アレルギーの原因は、卵白に含まれる「卵白アルブミン」です。この成分は水に溶けやすく、時間がたつと卵黄にも移るため、ゆで上がったらすぐに卵黄だけを取り分けましょう。
※ 生卵(なまたまご)はアレルギーや衛生面のリスクがあるため、与えないようにしましょう。
保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合
赤ちゃんは細菌に対して抵抗力が弱いため、冷蔵保存したものは当日、冷凍保存の場合で1週間を目安になるべく早めに使い切りましょう。
幼児の場合でも、冷蔵保存で数日、冷凍保存で2週間以内が目安です。また、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯がおすすめです。お子さんの様子をみながら、少量から離乳食を進めてください。

子どもに話したい「たまご(卵)」の話 ~たまご(卵)クイズ!~
卵の殻が白い卵と茶色い卵で異なる理由は何でしょうか?
- 産む鳥の種類
- 卵の新鮮さ
- 産まれた場所
答え: 産む鳥の種類
卵の殻の色は、ニワトリの品種によって異なります。白い卵は白い羽のニワトリが、茶色い卵は茶色い羽のニワトリが産むことが多いです。
まとめ
卵は栄養価が高く、「完全栄養食品」とも呼ばれる食材です。ビタミンCを除くほぼすべての栄養素を含み、成長に必要なたんぱく質も豊富です。離乳食初期には、固ゆで卵の黄身を裏ごしし、少量ずつ与えるとよいでしょう。








卵は、スイーツでもメイン食材としてたくさん使用されています。




「たまご(卵)」を使ったレシピのご紹介
