第4回目の「お家でできる食育コラム」は、「こどもの料理いつから始める?」です。
お子さんが料理をする、お手伝いを始める年齢は、その子の発育や興味によってさまざまですが、一般的には年齢ごとに段階を踏んで少しずつ行っていきます。
料理なんてまだ早いし、うちの子には難しいのでは? と、保護者の方は心配に思うかもしれませんが…
たとえば、「あらう」「まぜる」「つぶす」のような簡単な作業なら、2、3歳からスタートできます。
- 食材をあらう(2、3歳)
- 食材をまぜる(2、3歳)
- 食材をつぶす(2、3歳)
- 食材の皮をむく(4、5歳)
- 食材をならべる・積み重ねる・はさむ(4、5歳)
大切なのは、こどもの個々の成長に合わせて少しずつ難しいものにもチャレンジしていくことなので、最初はとにかく興味を持ってもらうこと、楽しむこと、少しぐらい失敗しても「すごい! できたね!」とたくさんほめてあげることだと思います。
あなたのとびきりの笑顔が、お子さんにとっては一番の喜びなのです。
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【料理の前に】一番最初に考えるのは、安全を確保すること
キッチンはこどもたちにとって危険なものがたくさんあります。
包丁やナイフ、ハサミなどの鋭利な道具は手の届く範囲にはおかない
とくに最初のうちは、フォークやナイフ、お箸などの先のとがったものを持たせないでください。
火を使わない
火が必要な調理の場合は、必ず大人が作業してください。また、火の近くにお子さんを立たせないでください。
料理を始める前に、必ず手を洗う
しっかり教えることで手洗いの習慣にもつながります。
食べものの清潔さを保つ
食材をなめてしまったり下に落とした場合は、その都度、洗うことを教えていきましょう。
「料理のとき以外は、キッチンに近づいてはいけない」など、お子さんにはしっかり注意をしてください。
保護者の方が料理をしている際に、横から調理中の鍋に触ってしまったり、まな板の上に手を出してきて、手を切ってしまったなどの事故を防ぐことになります。
まずはここから始めよう!【食材をあらう】
「料理」なんてまだまだ無理… と難しく考えていませんか? まずは一番簡単な、「食材をあらう」です。
くだものや野菜を水で洗う作業でしたら小さなお子さんもできます。
たとえば、いちごを洗って、お皿にのせます。そして食卓まで運んで、すわっていただきますをします。
そんな簡単なこと?と驚かれるかもしれませんが、お子さんにとってはいちごを洗うことだけでもそれなりに時間がかかります。
「つぶさないようにやさしくね~」とか、「この緑のところ(へた)を取っちゃおうか?」などなど、指導も必要になります。
「キレイに洗えたね~」から、「美味しいね~」と食べるところまでが大切です。料理することと食べることが、きちんとつながっているとお子さんにしっかり伝えたいですね。
トマトやきゅうり、レタスなどのサラダの具材を洗う。
火を通さない食材は、そのままの形で食卓に登場しますので、「ああ… これ自分で洗ったよ~」と実感できるので、子どもたちはたいへん嬉しいのです。
食卓に並んだ料理を見て、「料理に参加してる」「自分はできるんだ」「役に立っている」と感じることは、お子さん自身の喜びや自信にもなります。結果、自己肯定感を高めていくことにもつながります。
スプーンなどで!【食材をまぜる】
材料をボウルに入れてあげて混ぜさせてあげる、先ほどのサラダの具材などにドレッシングをかけてまぜる。
その際に「スプーンなどの先の丸いもの」を使用してください。特に小さなお子さんはこれを徹底してください。うまく混ざらなくても大丈夫ですので、とにかく安全に配慮してください。
※サラダの具材などを混ぜてもらう場合は、トマトは一番最後に入れてあげましょう。
また、意外とおすすめなのがヨーグルトのパフェ風です。
ヨーグルトを器にうつして、上からジャムやチョコシロップをかけてまぜる。そして最後に、クッキーやチョコをくだいたもの、グラノーラなどを少しのせる。これだけでも立派な「ヨーグルトのパフェ」ができます。
※こどもはまぜるだけでも時間がかかるので、アイスクリームや生クリームは、途中でとけてしまうのでおすすめしません。
※アレルギーのお子さんは他のものを使用してください。
さらに少しアレンジですが、手でバナナをちぎってのせたり(包丁は使いません)、いちごやブルーベリーをのせるなど、アイデア次第で楽しさはどんどん広がります。
また、小さなお子さんにとっては、水の入ったグラスに、カルピスを少しずつ入れて味を調整しながらスプーンやストローでまぜて自分の好きな味のドリンクを作る。これだけでも特別な自分だけのオリジナルドリンクの完成です。
ソースづくりも!【食材をつぶす】
バナナやアボカド、チーズなどをつぶしてもらってディップソースをつくる材料にします。
むきやすいものからチャレンジ!【食材の皮をむく】
最初は、「バナナ」や「みかん」などのフルーツの皮むきからチャレンジするお子さんが多いです。
年齢があがって器用になってくると「ゆでたまご」にチャレンジするお子さんもいます。
最初はうまくできなくて、殻を少し食べてしまったりで大変だったそうですが、どんどん上達していったそうです。
「ゆでたまご」は、しっかり「固ゆで」にすることと、前日にゆでたものを冷蔵庫でひと晩寝かしてから渡すとうまくいく確率があがるとのことでした。工夫されてますね!
むいているときの集中している姿に感動したとおっしゃられていました。
4、5歳のお子さんにおすすめ!【食材をならべる・積み重ねる・はさむ】
4、5歳のお子さんになるとさらに少し進んで、キレイに並べたりすることもできるようになります。
クラッカーに、フルーツやジャムをのせたり、チーズ、ハムなどをならべる・積み重ねるなどしておやつをつくるのも楽しいですね! 色のキレイな素材のものを使うとカラフルで見た目も華やかです!
また、パンにハムやチーズ、卵などの具材をはさんでサンドイッチをつくる体験もワクワクしますね。
自分でつくったサンドイッチを持って、公園に遊びに行ったりすると、料理と一緒に思い出も作れてしまいます。
さらに、もっと器用になってくると、餃子の皮を使ってピザを作ったり、スイーツにチャレンジをするお子さんもいます。
ピザと言ってもとても、とってもカンタンに作れます。
餃子の皮にケチャップをぬって、具材はできるだけシンプルにハムとチーズだけをのせてフライパンで焼くだけでも本当に美味しいです!ぜひチャレンジしてください!
※他の具材としては、トマトやピーマン、ソーセージを切ってのせたり、ツナやコーンなど、冷蔵庫の中の残り物で十分に美味しくできます!
他にも、少し年齢があがってきたら、「計量カップやスプーン」を使って材料を量る練習をしたり、少しずつできることを増やしていくことも楽しさにつながります。
五感を使って行う調理は、お子さんの感性を豊かにし、集中力や注意力を育むと言われています。またいろいろな食材に振れることで、好き嫌い・偏食が改善できたり、家庭内でのコミュニケーションが良くなったり、お手伝いをほめられることでお子さんの自己肯定感も高まったりと、一緒に料理をすることは、お子さんにとっても保護者の方にとっても素晴らしい経験になります。
大切なことは、お子さんの成長に応じて少しずつ難易度を上げていくことと、安全については最優先で考えていくことです。
そして、お子さん自らが興味を持って楽しんでお手伝いができるようなるといいですね。
給食で人気の「おやつピザ」のレシピを公開しました!
こどもたちが大好きなかわいいおやつピザです。餃子の皮でつくるのでとっても簡単です!