「社会福祉法人 和の会」の森田 和子園長にお話しをお伺いしました。
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より美味しく「見影橋保育園らしい給食」の実現を目指して
園長「森田 和子」先生
「社会福祉法人 和の会」さまは、平成14年4月に「あきる野こどもの家」を開設されて以来、長年にわたりモンテッソーリ教育に基づいて、人格形成の基礎となる0歳から6歳までの大切なこの時期を「わたしが一人でできるように手伝って!」というこどもの声を大切に環境を整え、一人一人健やかに育つための援助を実践されてきました。
見影橋保育園は、平成26年に立川市から「社会福祉法人 和の会」への移管にともない生まれた保育園で、緑豊かな立川市に立地し、150名のこどもたちがのびのびと過ごしています
「献立の方向性が定まらない」という悩みを抱えていました
宮崎:当社のコンサルティングご利用の経緯をお教えください。
園長:当園が立川市からの移管で開園したのが平成26年4月です。
以来、直営での給食室運営をしてきまして、栄養士・調理師の先生方も一生懸命に頑張ってくださっていました。
私どもは、「見影橋保育園」としての歴史が浅いこともあって、「献立の方向性が定まらない」という悩みと「味付けが安定しない」という悩みを抱えていました。
給食の味が安定しないのは、大量調理のやり方、調理方法について現場に迷いがあるからだと考えまして、保育園給食のプロの方に指導して欲しいと思っていました。
そして「献立の方向性が定まらない」という点で言いますと、給食室の栄養士の先生方もこどもにとってどんな食事が良いのか色々と勉強をしてくれていたのですが、なかなか「当園はこういう考え方です」という核になるものが定まらず試行錯誤が続いていました。
乳幼児期の食事が一生続く食生活の基礎となることから「健康な身体づくり」を目標に、保育園給食を専門にされているプロの意見を聞いてみたいという想いもあり富喜屋さんにたどり着きました。
子どもの食事に関心を持った保育士の先生がネットで色々と調べて富喜屋さんにホームページから問合せをしたのがはじまりです。
宮崎:「大量に美味しくつくる調理技術の指導」、「幼児期のこどもに最適な献立提供」を、当社にご期待いただいたということですね。コンサルティングの結果、どのように変化しましたか?
園長:私だけではなくて職員の感想として味が安定してきました。給食室の先生方が毎日とても美味しく作ってくれるので有難いです。
メニューは正直これまでの給食と大きく変わりません。スタンダードで定番おかずがしっかり入っている献立だと思います。
和食が中心だけどシチューもパンも出る、偏ることなくどれも美味しく安定してきたので、みんなが「おいしいねっ」と言って食べられる給食です。
宮崎:当社の「栄養士の畑(はた)」が給食室に入って色々とお伝えをしてきましたが、貴園の給食室の先生方はもともとの調理技術が高く、段取りのご指導などもすぐにご理解いただけました。
変化のきっかけとして、私たちのコンサルティングがお役に立てたのを嬉しく思っております。
自分たちが育てた野菜、採った野菜というのはやはりよく食べてくれます
宮崎: 野菜もたくさん入っていますが、こどもたちの反応はいかがですか?
園長:よく食べています。富喜屋さんに入ってもらう1年前から、当園の前に畑を借りることができまして、それで子どもたちが自分たちで種をまいたり、収穫ができるようになりました。
自分たちが育てた野菜、採った野菜というのはやはりよく食べてくれるので、その影響も大きいと思います。
宮崎:やはり野菜の種まきから収穫に関わる経験は、こどもたちにとっては大きいですね。
子どもたちが日々の活動の中で調理を手伝っていました
宮崎: 貴園では他にも「食育」に取り組んでらっしゃいますね。
園長:元々、モンテッソーリ教育を基本に保育をしていますので、子どもたちが日々の活動の中で調理を手伝っていました。
たとえば、1、2歳児が給食室のカウンターのところに行って、『お手伝いすることありますか?』と聞いて、「じゃがいも」や「にんじん」を洗ったり、「玉ねぎ」の皮をむいたりなど、3歳児・幼児は「お米」を研いだりもしていました。
それが新型コロナの影響でできなくなってしまったのですが、また安全に再開できる時期が来たら、ぜひやりたいと思っています。
親子で「これがおいしかった、お家でも作って」という話題がでるのは嬉しいです
宮崎:保護者の反応はいかがでしょうか?
園長:給食の話題が親子で出ているなと感じます。
先日も3歳の子が、給食で出たナスの油炒めがすごく美味しかったようで、お母さんに「作り方を聞いてきて」と言ったそうです。
お母さんが「作り方を教えて欲しい」と言ってくださいました。
親子で「今日はこれがおいしかった」「給食で美味しかったからお家でも作って」っていう話題がでるのは嬉しいですね。
宮崎:私たちがご支援をはじめてちょうど1年。無事にご支援を終了することができました。今後はどのような給食を目指していきたいと考えてらっしゃいますか?
園長:当初は2年間の予定で富喜屋さんに入って頂く予定でしたが、給食室の先生方も自信をもって自分たちでやっていけると言うのでちょうど1年で終了となりました。
この1年間、献立や調理の動きなど本当に勉強になったようです。
これからもこどもたちの事を一番に考えた身体によくて美味しい給食を提供していきたいと思っています。
宮崎:1年間本当にお世話になりました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
「社会福祉法人 和の会(やわらぎのかい) 見影橋保育園」さま 編集後記
産休による給食室の先生の入れ替わり、そして新型コロナという混乱の中でスタートしたご支援でした。
栄養士・調理師の先生方はもともと高い調理技術をもってらしたので、食育を考えたバランスの良い献立のご提案・調理指示書などの作成支援、動線や考え方のルールをお伝えすることを中心に取り組んできましたが、1年間で無事に支援を終了することができました。
ご支援最終日の献立は「クリームシチューとパン」という献立でしたが、手づくりの優しい味わいでとても美味しかったです。
見影橋保育園さまらしい給食を、子どもたちが美味しそうに食べている姿が印象的でした。